革新性

2001年以降、4つの新しいフレデリック・コンスタントの自社キャリバーを開発、生産、発売されました。“ハートビートマニュファクチュール”の誕生によってフレデリック・コンスタントは、小規模ながら独自のキャリバーを自社生産するスイス時計メーカーの仲間入りを果たしました。自社開発キャリバーは、時計製造が生み出す芸術品です。フレデリック・コンスタントは、自社開発のハートビートマニュファクチュール キャリバーの特許を取得しました。
ハートビート マニュファクチュール


3年の歳月をかけて開発し、2004年バーゼルフェアで新しいハートビートマニュファクチュールキャリバーを発表しました。ハートビートムーヴメントは、内外8名(École d'Horlogerie de Genève(ジュネーブの時計企業の学校), École d'Ingenieurs de Genève(ジュネーブのエンジニア学校)、 Horloge Vakschool Zadkine(フランスの時計エンジニア学校))の協力の下、開発されました。これらの機関とともに密接な協力関係により、コストを削減することが出来ました。さらに、このような経験豊富な専門家達と一緒に働くことで、さまざまな知識を得ることができました。そして開発終了後、3人の技術者が現在フレデリック・コンスタント社で働いています。それ以来、4つの新しいフレデリック・コンスタントマニュファクチュールキャリバーを開発、生産、発売されました。過去の経験から、全てのハートビートマニュファクチュールキャリバーは、発売前に必要な登録を済ませました。


マニュファクチュール トゥールビヨン


フレデリック・コンスタントは、世界に先駆けて発表しました。: シリシウム製ガンギ車搭載のトゥールビヨンモデルです。自社開発の自動巻ハートビートキャリバーをベースにさまざまな特徴を備えたトゥールビヨンを、自社内で開発しました。
  • シリシウム製ガンギ車
  • スマート ウェイトバランス
  • 振動数 28’800 BpH
  • トゥールビヨンケージにシリアルNO.刻印

上記3つ の主な特性から、通常使用されているガンギ車と比較して、シリシウム製ガンギ車は、特にトゥールビヨンの構造にとって最適です。シリシウム製ガンギ車の軽 さと低摩擦な特性により、エネルギー効率の良さをもたらします。その結果、シリシウム製ガンギ車を搭載したフレデリック・コンスタントのトゥールビヨン は、ダイアルが上向きの状態とダイアルが下向きの状態で約300°の振幅です。


スマートウェイトバランス
フレデリック・コンスタントのトゥールビヨンケージは、81個のパーツから構成され、それぞれのパーツは12ミクロン(0.001-0.002mm)という精密さで、製造されています。パーツの多くは、ジュネーブプラレワットにあるアトリエ内で、フレデリック・コンスタントの非常に精密なCNC機械で製造しています。最新鋭のオリジナルCNC機械は、XY軸で1ミクロン、Z軸で2ミクロンの誤差が生じます。高度な精度を持つ最新鋭のCNC機械でも、ひとつのパーツを100%の配分で誤差なく製造することは不可能です。高精度のトゥールビヨンを製造する為には、パーツの重さを等配分することは必要不可欠です。そこで、フレデリック・コンスタントは、トゥールビヨンケージの外側の端に「スマートスクリューシステム」を搭載することで、この問題を解決しました。この「スマートスクリューシステム」を、トゥールビヨンのメインケージの外側に設置し、重量配分をコントロールできるよう設計しています。「スマートスクリューシステム」の2本のネジの下に小さな金属リングを削ったり増やしたりすることによって、トゥールビヨンケージの回転バランスを調整します。通常、時計職人が小さいリングを調整しトゥールビヨンケージの重さのバランスを完成させるためには8時間以上もの時間を要します。

振動数
フレデリック・コンスタントのトゥールビヨンモデルは、毎時28,800/h、4 Hertzで動いています。テンプは1時間毎に28,800回振動し、ギアトレインは24時間で691,200回振動します。これは4年で10億回以上も振動する計算になります。競合他社のトゥールビヨンは、3 Hertzのモデルがほとんどです。高速振動のトゥールビヨンキャリバーは、磁力の影響を受けにくく高精度です。


シリアルNO
トゥールビヨンケージは、188個のリミテッドエディションです。トゥールビヨンケージの中央の非常に小さな上部プレート部分に、フレデリック・コンスタントの CNC機械で、リミテッドエディションナンバーが刻印されています。そして、ケージに刻印されたナンバーと、ケースに刻印された限定ナンバーは、キャリバーとケースに同じナンバーが刻印されます。
シリシウム製ガンギ車搭載 マニュファクチュール


機 械式ムーブメントが高精度を維持するには、タイミングデバイスが重要です。フレデリック・コンスタントの機械式ハートビート キャリバーのタイミングデバイスは、バランスホイール、ひげぜんまいとエスケープメント(脱進機構)です。バランスホイールは、4HZの周波数で前後にス ピンしてバランスホイールの振動周期で精度がきまります。また、バランスホイールの振動数を一定に保つには、バランスホイールに十分なエネルギーを伝える ことと、バランスホイールの自由振動への干渉を最小限に抑える脱進機構の設計が必要です。そして、脱進機構のオイルが古くなると、摩擦が増加しバランスホ イールへの伝達力が減少してしまいます。

脱 進機の役割は、ひげぜんまいを伸び縮みさせる振動数を保つことです。 腕時計製造における長い歴史の多くは、脱進機の摩擦の研究、開発に費やされてきました。ガンギ車の歯はメインスプリングの動力によって動きます。そして、 ガンギ車の歯はツメ石に対して、正確にかみ合いスライドすることでアンクルを動かし、その部分に摩擦が生じる為、この摩擦を軽減させる為に、潤滑油が必要 となります。最新の脱進機構は、角穴車の歯は非常に硬い素材でよく磨かれていますが、潤滑油はかかせません。フレデリック・コンスタントの機械式時から聞 こえるカチカチという音は、バランスホイールの振り石と脱進機のアンクルの歯が互いにぶつかり合う音です。もし脱進機に潤滑油がなければ時間の経過による 磨耗、研磨、潤滑油の乾燥などで、金属部品交換しなければなりません。機械式時計を高品質で維持するには、脱進機・調速機に使用される潤滑油を、時計の最 初の製造工程から高品質な潤滑油を使用することです。機械式ムーブメントは、一般的に4年に1度オーバーホールし再注油が必要です


研究と開発
時計業界の情勢、傾向と共に、フレデリック・コンスタントはハートビート マニュファクチュール キャリバー専用の、新素材採用の実現に向けて、研究・開発に力を注いできました。その結果、定期的な潤滑油の注油を必要としない脱進・調速機の最新素材の パーツを採用するという、大きな改良点にたどりつきました。フレデリック・コンスタントは、定期的に注油を必要としない、シリシウム製ガンギ車を搭載した 限定モデルを発表しました。シリシウムは、時計製造に用いられるパーツとして理想的であり、耐磁性、高硬度、耐腐食性に優れた素材です。このシリシウム製 ガンギ車の最も大きな特徴は、注油の必要がなく、磨耗や研磨、オイルによる乾燥の不具合が、極めて起こりにくいということです。 

シリシウム
シリシウムは、周期表の化学元素記号ではSi、元素番号では14です。シリシウムは、非金属でカーボンほど化学反応をおこしません。主に異 なる結晶(クォーツ、オパールなど)と、ケイ酸塩(シリシウム、酸素とひとつ、あるいは他の金属を含むいろいろな鉱物)などの化合物があります。また、天 然では、岩石中に多く含まれている地殻中の主成分です。シリシウムは、大部分は半導体装置として使用されることが多く、二酸化ケイ素とケイ素塩の化合物 で、ガラス、セメント、陶器などの主成分です。ゲルマニウムと並び半導体として広く使われる素材です。シリシウムは、濃い灰色と金属光沢をもつ結晶形で、 ガラスによく似ています。また、この結晶は硬く、ダイヤモンド構造で常温では、安定した形状を維持します。

シリコン製ガンギ車は、ディープ・アクティブ・イオン・エッヂング(DRIE)と呼ばれる最新技術を駆使して製造されて います。この製造方法は、厚さ0.5mm直径100mmの丸いシリシウムウエハーに、焼き付けられてパーツを製造します。通常、シリシウムウエハーは、直 径1インチ(25.4mm)~11.8インチ(300mm)、厚さ0.5mmで製造され、石切用丸鋸やダイヤモンドワイヤーを使用して半導体のブールから 切り出されます。この100mmのシリシウムウエハーから、約250個のフレデリック・コンスタント専用のガンギのパーツを生産する事が可能です。シリシ ウムウエハーは、シリシウムの間に酸化ケイ素を挟んだ3層構造で、中央層には分離層として機能します。シリシウムウエハーの表面に感光性塗料を塗り、ガン ギ車のパターンを投影してから型を抜き取るり、この残った感光性塗料が塗られた部分をプラズマでエッジングします。そして、パーツを洗浄するとシリシウム 製ガンギ車の完成です。このシリシウムウエハーからエッジングされたパーツは、センターを切り出したり、磨いたりする加工の必要がありません。このような 結果から、フレデリック・コンスタントのシリシウム製ガンギ車の採油は重要かつ不可欠な素材となりました。